ノロウイルス流行中! ~胃腸風邪から身を守るために~
2025.02.19
冬のピークが過ぎ、インフルエンザやコロナの流行もようやく落ち着いてきました。
しかし、その代わりに 感染性胃腸炎、特に ノロウイルス の患者さんが急増しています。
最近、当院にも「急に激しい吐き気がして…」「家族が次々に下痢をしている」といった相談が増えており、感染性胃腸炎の流行が本格化していることを肌で感じます。
ノロウイルスとは?
ノロウイルスは 非常に感染力が強いウイルス で、ごく少量のウイルス(数十個程度)でも感染が成立します。
特に冬場に流行しやすく、感染者の 嘔吐物や便に含まれるウイルス が手を介して口に入ることで感染します。
感染すると 突然の嘔吐、激しい下痢、腹痛、軽い発熱 などの症状が現れます。
特に 小さなお子さんや高齢者は脱水症状を起こしやすい ので、注意が必要です。
ノロウイルスはなぜ広がりやすいのか?
- わずかな量で感染が成立
インフルエンザウイルスと比べても、ノロウイルスは ごく少量のウイルスで感染してしまう ため、一度流行が始まると爆発的に広がります。 - アルコールでは死滅しない
多くのウイルスはアルコール消毒で対処できますが、ノロウイルスは アルコールでは不活化しません。そのため、手指の消毒だけでは不十分で、しっかりと 流水と石けんで手を洗う 必要があります。 - 感染者の症状が治まってもウイルスが残る
症状が落ち着いても 1週間程度は便の中にウイルスが排出される ため、感染者が元気になっても注意が必要です。家庭内感染を防ぐためにも、トイレ後の手洗いや環境消毒を徹底しましょう。
ノロウイルス抗原検査の保険適用条件
ノロウイルス感染症が疑われる場合、便中のウイルスを検出する「ノロウイルス抗原検査」があります。
この検査は、以下の条件を満たす場合に健康保険が適用されます。
- 年齢要件:3歳未満または65歳以上の方
- 基礎疾患の有無:悪性腫瘍、臓器移植後の免疫抑制状態、先天性免疫不全症候群など、特定の疾患を有する方
これらの条件に該当しない場合、検査は保険適用外となり、自費での負担が必要となります。
ノロウイルスから身を守るには?
1. 石けんを使った手洗いを徹底
- アルコール消毒では効果がないため、流水と石けんで 指の間、爪の間、手首までしっかり 洗うことが大切です。
2. 嘔吐物や便の処理は慎重に
- ノロウイルスは 空気中にも拡散しやすい ため、嘔吐物や便を片付ける際は マスク・手袋を着用し、ペーパータオルで慎重に拭き取る ことが重要です。
- 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤)を薄めた消毒液 でしっかり拭き取ることで、ウイルスを除去できます。
3. 食品の取り扱いに注意
- ノロウイルスは 二枚貝(カキなど) に含まれることがあり、十分に加熱しないと感染リスクが高まります。調理の際は 85℃以上で1分以上 加熱するようにしましょう。
- 調理器具もこまめに消毒し、特に まな板や包丁は使い分ける ことが大切です。
4. 体調が悪いときは無理をしない
- ノロウイルスに感染すると 学校や職場での集団感染のリスク が高まるため、体調が悪いと感じたら 無理をせずに自宅で休む ことが大切です。
まとめ
現在、ノロウイルスを中心とした感染性胃腸炎が急増しています。
家庭内感染が広がりやすい ため、手洗いや環境の消毒を徹底し、体調不良の際は無理をせず早めに休むようにしましょう。
特に 小さなお子さんや高齢の方は重症化しやすい ため、吐き気や下痢が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。
まだまだ寒い日が続きますが、しっかりと予防をして元気に過ごしましょう!